FC東京vsジェフ・千葉

 味の素スタジアムに行ってきました。

 3月から数えて11試合目のサッカー観戦になりましたが、どちらかのチームに肩入れして見なければならない試合ばかりでした。今日の試合はそういった立場を忘れて純粋にサッカーを楽しむことが出来ました。

 前半と後半途中までは一方的な千葉ペースで試合が進みます。FC東京は繋ごうとする意識は分かるのですが、DFラインからのパスをカットされたり、中盤でフォローがなく、千葉の選手にボールを奪われる場面が目立ちました。

 先制点はボランチの位置から右サイドに飛び出した阿部選手が巧みなステップで相手をかわし、ペナルティエリア深くまで侵入したところでクロスを送り、あわせた巻選手がゴールを決めます。このとき、阿部選手がボールを右サイドで持った瞬間、千葉の選手達が一斉にペナルティエリアに侵入してきました。おそらく4人か5人の千葉の選手が阿部選手のボールを受けられる位置に走っていたと思います。あれではFC東京のDF達もなす術がありません。

 巻選手のポストプレーが面白いように決まり、次々と飛び出してくる千葉の選手をFC東京の選手達は止めることができていませんでした。追加点は右サイドからのクロスに巻選手がファーサイドで競り勝ってヘディングでゴールネットを揺らします。FC東京のDFのマークが甘く、前半だけで3−0とか4−0になっていても不思議でない展開でしたが、土肥選手のファインセーブもあり、なんとか2−0で前半を終えます。

 後半、ガーロ監督が賭けに出ました。ハーフタイムで3人の交代を行なったのです。ジャーン選手を投入し、3バックにします。そして、川口選手、赤嶺選手の両FWが投入され、ルーカス選手がやや下がり気味の3トップのような形になります。

 しかしながら次の得点も千葉が奪います。この形も非常に綺麗な得点でした。また、千葉らしい得点でした。左サイドからのボールに対して真ん中・ファー・さらにファーに3人の選手がいて、完全にFC東京の守備を崩した得点でした。得点を決めたクルプニコビッチ選手は左からボールが出ることを予測してかなりの距離を走っていて、その彼の動きをしっかり見ていた巻選手がヘディングでフリーのクルプニコビッチ選手にパスを出したところで勝負ありでした。

 普通であれば、このまま何の面白みのない試合になってしまったところですが、一つのプレーから大きく流れが変わります。左サイドのCK(ちょっと、記憶があいまいなのですが、もしかしたらクロスだったかもしれません)がファーサイドに流れたのですが、千葉のDFがこれを手ではたいてしまいました。当然、PK。ルーカス選手が落ち着いてゴールを決めます。

 ここからFC東京の反撃が始まります。ボールを奪うとスペースに走る川口選手にボールを預け、流れをつかみます。また赤嶺選手がゴール前でボールをキープし中盤の選手達の押し上げを促します。1点目から8分後には左サイドからあげたボールを千葉のGK立石選手がこぼしてしまい、詰めていた赤嶺選手が押し込んで1点差とします。

 この時点でまだ20分以上の時間が残っていましたので、「これは同点、逆転もあるかな」と思っていましたが、チャンスを作るものの決められず、またストヤノフ選手の的確な守備もあり、かろうじて千葉が逃げ切りました。

 この試合のMVPを決めろといわれれば、巻選手を挙げたくなるのですが、クルプニコビッチ選手の動きも印象に残りました。運動量も多く技術のあるFWです。戦術眼にも優れていて、後半、ストヤノフ選手がゴール前まで上がってきた時にはそのスペースを彼が埋めてカウンターを阻止していました。


試合後オシム監督のコメント http://www.jsgoal.jp/news/00031000/00031902.html

Q:ベンチに7人入れられるところを6人にした意図は?
「選手がいなかったから(笑)。まあ実際はいるが、前日にやった練習試合で皆が情けないプレーをしたので、ベンチに座るべき選手はいなかった」

 風邪の選手を連れてきて、そのバックアッパーがいないので6人しかベンチにいなかったどこかのチームとは大違いです。もちろん、オシム監督が常に記者会見で全て本当のことを言っているとは限らないわけですが、この発言の方がベンチにも入れなかった選手達に対する影響は大きいでしょうね。

Q:連戦が続くが?
疲労疲労と言うが、彼らはプロフェッショナルな選手。どちらにしろ練習か試合をやるわけで、ときには練習の方が試合より激しい場合もある。だからこそ、疲れているという言い訳は許されない。こういう場で疲労が溜まっているということは言えない。スタジアムというのは、彼らが仕事をする場所である」

 明日、静岡の西で行なわれる試合で、「彼らは仕事をした」と思えるような試合が見られますように。監督が、

我々は9連戦を戦っているので、ハンディキャップのあるレースをやってますから、ナビスコが途中でうちだけ入ったという試合があって9連戦です。

 こんなことを言っていても、選手達は仕事をしてくれますように。

http://www.jubilo-iwata.co.jp/live/2006/N060412_736.php


追記 〜今日の審判について〜

 今日の主審はワールドカップ主審(予定)だったんですが、あまりの酷さに唖然としました。
「あれはファールだった」、「いや、ファールじゃない」ということに関しては客観的な立場から見ている僕はほとんど気にならなかったのですが、目に余ったのは、ポジショニングの悪さです。
とにかく大事な局面に顔を出し、プレーコースを限定する。「お前、今すぐうちの福西の代わりに代表でボランチやれよw」というくらいポジショニングが「良い」。
それと、リスタート時のボールのポイントについて、試合の中で一定していなかったのも気になりました。