4年間を振り返って
さ 「では、後半戦はこの4年間を振り返ってみたいと思います。お手元にこの4年間の代表の試合結果の資料が……」
で 「ない(笑)」
さ 「ないと思いますけど(笑)じゃあ、これ」
(慌てて資料を配る)
で 「覚えてるかなあ」
アルゼンチン戦
さ 「節目になったのが2003年の6月8日のアルゼンチン戦ですよね。これについてはいづみさんが以前、面白いことを言っていたよね」
西 「なんだっけ?・・・(笑)。・・・ああ、私はこの試合がジーコジャパンの試合の中で一番面白かったって話?」
さ 「そうそう」
西 「私的には理想の4バックだと思ったんですよ。ちょっと『やりすぎ!!』と思ったけど、あのアルゼンチンに対して、失点は承知でガンガン両サイドが上がって・・・。あれだけチャレンジしたというのが良かった。4バックって私は好きじゃないんだけど、あの4バックだったらいいなって思った。だけど、そのあと『総とっかえ』*1になっちゃって」
い 「確かにガンガン上がってた」
西 「点は4点取られたけど、あのときのアルゼンチンって結構いいメンバーだったでしょ」
西 「そうそう」
で 「ジーコが試合の後、『もうアルゼンチンとはやりたくない』とか『もうマッチメイキングしないでくれ』とか言ってたでしょ(笑)」
さ&西 「アホか?」
さ 「そういう相手とやらなきゃいけないのに」
で 「何考えてるんだか(怒)」
さ 「おまえ、ブラジル人で、よくそんなプライドないこと言えるなと」
で 「子供か?(笑)」
2004年
ブ 「これ、一つずつおっていくと、つらいな」
さ 「厳しいか。時間的に」
ブ 「端折りましょう(笑)出来事だけおっていこう。ジーコ解任デモについてだけど」
で 「あれっていつでしたっけ?」
ブ 「結構スポーツ新聞も取り上げてくれて、何とかなるかなと思ったんだけど、その後のヨーロッパ遠征でチェコに勝ったりとか、イングランドに引き分けたりして世論が動かなかった。ここで討ち取ってればねえ」
で 「仕留めそこなった?(笑)」
ブ 「悔しかったね」
さ 「いやあ、あのオマーン戦は酷かったね」
ブ 「この試合に限らず、最終予選もそうだったけど、引いている相手に、グルグルとボールを回しているだけだもんね」
さ 「フリーランニングが全くなくて、立ち止まっている選手にパスばかりだから、点が取れるわけない」
ブ 「アジアの相手に1−0だもんね」
さ 「スコアは1点でもいいんだけど、内容が悪すぎだ。あれじゃあ、どこかで躓くと思った。そういや、PKあったよねオマーン戦」
で 「あったあった。俊輔が止められたやつ」
い 「あれは止められる雰囲気がありましたよね」
さ 「審判のプレゼントPKだったしね。点が入る雰囲気がなかったよ。あの試合は」
い 「久保の打ち損じだけだったですねえ」
で 「その次の、シンガポール戦も酷かったですよね」
さ 「この試合はチームマネージメントの失敗だよね。海外組を直前で合流させて、彼らが動けなかった」
い 「シンガポール相手やったら、海外組なんか呼ばなくてええって(笑)」
で 「俊哉*2が救ってくれたから良かったけど」
ブ 「話は変わるけど、キリンカップという大会が何の意味もなくなった気がする」
い 「僕もキリンカップの試合は見なくなった」
ブ 「客もそこそこ入ってるし、視聴率もある程度あるんだけど、見ていて胸を打たなくなってきた」
い 「僕、ハーフタイムで寝ますもん(笑)」
さ 「僕も寝そうになる」
西 「私も(笑)」
さ 「今、集まっている僕らは、それぞれのサポートチームがあるけど、それ以前に『サッカーが好き』って人たちじゃないですか。だから自チームとは関係ないJ2の試合とかLリーグとかでも面白いと思える人じゃないですか。それにも関わらず、寝そうになるっていうことは、よっぽど代表の試合がヤバイってことですよね」
ブ 「そうだよね。さるねこさんとか、『代表の試合はエキサイトバイク*3やりながら見てる』って言ってるもんね(笑)」
さ 「そうそう(笑)任天堂DSでねw。だって、つまんないんだもん」
い 「僕もそう。『ながら見』しますよね」
で 「代表が海外に遠征にいくじゃないですか。そうすると試合開始が夜中になるでしょ。でも、その時間まで起きてまで見ようとは思わない。ウチの村井とか田中とか出てるのに」
い 「D通のおかげで、割と試合開始時間が早くなったりしてますけど、見なくなりましたね」
で 「正直言って、今回のW杯だって、誘われなかったら23時開始の試合とか見てないっすもん」
一同 「ワハハアハ」
で 「いや、マジで(笑)。仕事あるし、寝てますもん」
ブ 「キーポイントはアジアカップ順々決勝ヨルダン戦のPKですよ」
い 「ベストゲームですね」
ブ 「ここで、宮本が英語力を生かして審判と交渉したのがいけないんですよ(笑)。あれがなければ、今頃、首が飛んでたはずなのにw」
で 「ジーコは何だかわからないけど、運がいいですよね。『この試合で負ければ・・・』ってところでことごとく勝ってきましたもんね。偶然(笑)」
ブ 「どっかのチームの川口さんが活躍しなければ・・・」
さ 「まだ、このときはウチじゃなかったですけどね(笑)でも、あのときのPKの時の川口の顔はヤバかったよね」
で 「目が白くなってた(笑)」
さ 「イタコだよね」
西 「誰がのりうつってるの?」
さ 「ゾフはまだ生きてるから(笑)」
西 「パランパン*6だったら良かったのに(笑)」
一同「わはははは」
ブ 「ここで優勝したのがなあ・・・中国のあの雰囲気の中で勝ったからねえ」
さ 「それもありましたねえ。ちょっと感動的だったもんなあ」
で 「俺もテレビ朝日に洗脳されて、DVDとか買っちゃいましたもん(笑)セルジオ越後の『ヤター、カッター』とかにもやられたもんな」
さ 「僕も含めてだけど、あの反日的な環境で勝ったということが日本国民の心を捉えちゃったのかもぁ」
ブ 「ちょうど、反日デモとかあって、うまくニュースとリンクしたよね」
さ 「テレ朝うまかったw」
で 「ここでジーコを仕留めるっていう概念すらなくなっちゃいましたよね」
ブ 「あれで運命共同体になっちゃった」
2005年
ブ 「この最終予選の北朝鮮戦で劇的な勝ち方しちゃったからなあ」
で 「大黒がスターにw」
ブ 「その後のイラン戦とか弾丸ツアーでアウェイ行く人が周りにも多かったなあ」
さ 「バーレーン戦なんてサルミーンのオウンゴールで勝ったんだぜ(笑)」
い 「そうだった!『10番ありがとう』でしたね」
で 「あ、俺、その後のキリンカップのUAE戦は見に行きましたよ」
さ 「どうだった?」
で 「『代表弱え〜』と思って』
一同 「ギャハハハ」(爆笑)
で 「行った試合、全部感想が『代表弱え〜』ですもん」
ブ 「で、アウェイというか・・・中立地の北朝鮮戦でW杯出場が決定するわけだけど、ここで監督を代えるという選択肢はないよね」
で 「ないない」
西 「その前にまでに代えないといけなかった」
ブ 「出場決定したら盛り上がっちゃうもんね。でも今後の強化のためにはアジア枠を小さくしてくれないと」
い 「『1』は削られますわね」
で 「韓国が負けてアジア勢が全滅しちゃいましたからね」
さ 「ヨーロッパにあげてください」
い 「そうそう。トルコ・デンマーク・アイルランドとか見たかったんで」
2005コンフェデレーションズ・カップ
ブ 「コンフェデは良かったよね」
さ 「良かったですねぇ。ただ、今考えると、やっぱり本気じゃなかったんだろうなあと・・・。そもそも、このコンフェデの決勝*7とか見てると、真剣度がやっぱり、日本とやるときとは違ったよね」
い 「このコンフェデでブラジルと引き分けたことで、『ワールドカップでも行ける』みたいな論拠が出来上がっちゃいましたよね」
で 「確かに」
さ 「ここでの結果で力を測り間違えたよね」
ブ 「間違った」
さ 「しかも、ある程度このブラジル戦とかポゼッションできたしね。ギリシャ戦は日本がほとんどボール支配してたし」
ブ 「しかも、このときの俊輔はキレキレだったじゃん」
さ 「でも良く考えたら、そのあとの東アジア選手権で、北朝鮮に負けて、中国と引き分けでしょ」
い 「そういえば、このときも1戦目でふがいなくて、2戦目でスタメンみんな代わったんでしたね」
西 「全部代えるっていう意図はどこにあるんだろう?」
さ 「当て馬でしょ」
い 「スタメンの選手の信頼も何もないですよね」
ブ 「トルシエのときは、ヨーロッパへ出て行ってフランスとかスペインとかノルウェーとかに虐殺されてそれを経験としてうまく生かせてたけど、今回はそれがなかった。国内でぬるぬるやってた」
キリンカップの意味
(試合表を見ながら)
い 「なんすか?この、キリンカップのカザフスタンとかシリアって・・・、で、アルゼンチンとやったら、『もう嫌』とか言うわけでしょ。わけわからん」
さ 「もうキリンカップの意味がないよね」
い 「やっぱり、真剣度がない」
さ 「マネージメントは大事になるよね」
ブ 「試合の組み方とか。いいチームを連れてくるとか」
西 「来ても、2軍とかが多いから」
さ 「でも、相手が弱ければ弱いで、どういうことを試すかとか、マネージメントとして考えておかないと。新しい選手を試すとかね。ジーコのチームはそういうのが感じられなかった」
ブ 「まあ、キリンがあれだけJFAと密着してると、キリンカップをやめるわけにもいかないだろうしねえ」
い 「キリンカップを始めたころに比べれば、日本のサッカーが成長したってことかもしれないですけどね」
ブ 「強い国は呼べない、呼んでも2軍とかでは意味がないよね。それで、賞金とビール1年分とかもらっても(笑)」
西 「賞金も勝っても負けても変わらないですからね。優勝したら滅茶苦茶なお金あげるとかして、選手のモチベーションを高めるようにしないと」
で 「代表に呼ばれる選手のモチベーションってどうなってるんでしょうね?昔に比べて、代表に呼ばれることの喜びとかが選手から感じられなくなってる気がする」
い 「特にこの4年間」
代表の誇り
西 「代表が名誉であるってことを伝えられる選手がいなくなりましたからね。2002年の選手も若い選手ばかりだったからその頃から始まっていたのかもしれないけど」
で 「他国の選手とか見ていると本気度が全然違うじゃないですか。彼らは代表のユニフォームを着てプレーするということがものすごく名誉なことだと分かってるんだと思うんだけど、今後も含めて、日本の選手達はあそこまで真剣になるのかなあって不安」
さ 「でも、日本も昔はあったからね」
ブ 「それは大切なポイントだよね。『喋る人がいない』とか『飛行機が・・・』とか言うんだったら、来るなって。そういうのおかしいよね」
西 「でも、サポもそういうところがあるから。代表に自分のチームの選手が呼ばれると、『うわー、またコンディション崩されて帰ってくるからやめてくれ』とか考えちゃうきらいがある」
で 「確かに、俺もそう思いますもん」
さ 「いや、それはジーコの代表だと、本当に崩れて帰ってくるからですよ。磐田なんか相当でしたよ。西*8とかは壊れて帰ってきたし」
で 「西なんて、あれから変な選手になっちゃったし」
さ 「あそこから、西はおかしくなっちゃったよね」
で 「たぶん、なんか埋め込まれたんですよ(笑)」
西 「自己矛盾だよね。代表にウチから選ばれたら『やったー』って思わなきゃいけないのに、どこかに『でも、コンディションが・・・』って考えてる自分がいるっていう」
で 「そう。喜ばなきゃいけないんだけど、『なんだよまた連れて行きやがって』って思っちゃう自分が嫌だ」
ブ 「2002年の時は?」
さ 「あの頃は磐田の選手はスタメンで出てなかったから。みんな途中交代だったし。ロシア戦なんか3人交代で出てきたの磐田の選手だったし」
い 「千葉の選手なんか選ばれたらすごい喜びそうな気がするんですけど」
さ 「あの、巻が選ばれたときの巻とオシムの練習場での写真見ました?あれ、いいですよね」
ブ 「巻が選ばれたときの、マスコミのスターシステム発動はむかついたな」
い 「それより、出られなかった遠藤が可哀想」
西 「最終戦とか、『熱を出した俊輔より、下なのかよ』って腹が立った。テレビ見てて、激怒しましたもん。あんな熱出してグダグダの俊輔だったら、元気で技術もしっかりしてるヤットがなんでピッチにいないのか」
さ 「そういうチームマネージメントはジーコは最低だよね」
西 「試合前の俊輔の映像とか死人みたいな顔だった」
さ 「やばかったよね。試合前から」
西 「みんなと一緒に頑張ろうとか、そういう顔じゃなかった。いっぱいいっぱいで」
ブ 「今回のワールドカップのDVD見たいよね。『6月の勝利の歌を忘れない』みたいなやつ」
さ 「いやー、ブラジル戦のハーフタイムとか試合後とか見たいわ(笑)」
一同 「わははは」
さ 「ほら『6月〜』でも、ベルギー戦のハーフタイムはカットされてるじゃん。松田がキレたからでしょ?多分」
ブ 「今回のはすごいことになってると思うよ」
西 「ビデオ、回してますよね?」
さ 「D通が回してるでしょ」
で 「前回、D通でしたもんね」
ブ 「絶対、D通は出さないと思うけどね」
で 「ひた隠しにするでしょうね」
西 「出さないかな〜♪」
い 「でないかな〜♪」
で 「話、変わりますけど、前の代表チームには人間力*9の功績も結構あったよね」
い 「あー、選手に声を掛けてたりとか、しましたもんね」
ブ 「フォロー入れたりとかね」
さ 「ジーコのチームにはそういう役割の人がいなかったもんね」
い 「山本さんは二番手になって気を遣うタイプだよね」
で 「監督の能力は山本は全然なかったと思うけど、あのポジションは良かったと思うんですよ」
さ 「松田*10がさ、あのDVDの最後で『いやあ、山本さんは良かったよ』っていうシーンがあったよね。『山本さんは』ってどういう意味だよ?とか思ったけど(笑)」
で 「『山本ニッポンで行こうよ』とか言ってましたよね(笑)」
ブ 「あのDVDは名作だよね」
西 「面白かったのが、私の周りの人がワールドカップ始まる前にみんなあのDVDを見始めたのはなんでだろうと思って(笑)」
さ 「悪いものを見る前に、いいものを見ておかないとさ。プラスマイナスで中和されるように(笑)」
ブ 「僕もクロアチア戦の前にテレ朝が事前番組やってるときに『6月の〜』みてテンション上げたから。だって、料理番組とかやって、クロアチア料理とか食べてるんだもん(笑)」
さ 「そんなのやってたんだ(呆)」
2006年
ブ 「アメリカ戦もキーポイントだったねえ。実力を測るという意味ではすごく大切な試合」
い 「そうですね。あれだけやれるアメリカがW杯でああいう結果に終わったことを考えると・・・」
ブ 「ああ、国内最終戦のブルガリアとスコットランドの試合・・・。すごいグダグダだったなあ」
さ 「あの試合を見ていて、すごく悲しかったのが、『当落線上』にいた選手とそうではない選手の意識の違いが・・・誰とは言わないけど、『怪我しないようにやろう』って奴と、巻とか実際に怪我してしまった村井みたいな選手と・・・ああいうチーム作りしちゃだめだよ」
ブ 「あとは希望を抱かせてしまったドイツ戦・・・」
で 「あれは何だったんでしょうね」
西 「あれは、あそこにコンディションのピークがいってしまったのがまずかった」
さ&い 「そのとおり」
い 「4年間のジーコジャパンに一つだけ文句を・・・っていうか沢山言ってますけど(笑)、言いたいのは、フィジカルコーチが悪いんじゃないかと」
で 「里内?」
さ 「長い合宿とか遠征のときに必ず、どんどんコンディションが悪化していったよね」
で 「磐田のフィジコ並みですよね・・・」
さ 「いや・・・仙台か日本代表かって感じ(笑)」
ブ 「本番であれだけ風邪・肉離れだとか出たらねえ」
西 「今回に限らず、何回もだから」
い 「マスコミはあんまり言わないだろうけど、フィジコの件は僕は声を大にして言いたい。明らかに調整失敗してますね」
ブ 「ドイツ戦は、ドイツが余りプレスに来なかった?」
さ 「あの試合の前に、ドイツって試合してたんだよね」
で 「そうだ。中二日くらいで」
い 「そういう意味で、トップギアではなかったのかな」
ブ 「その後のマルタ戦の酷さったらなかったじゃない」
さ 「あれは選手が怪我を恐れてた」
ブ 「で、その後、何か3試合やってと・・・」
で 「ナビスコカップでしたっけ?(笑)」
一同 「はー」(ため息)
さ 「酷いね」
西 「酷いね」
で 「まとめると、『酷いね』ってこと?(笑)」
一同 「ハハハハ」(苦笑)
さ 「でも、それしか言いようがないわ」
今後へ向けて
ワールドカップで勝つために
ブ 「さ、悪態は散々ついたから(笑)、未来に目を向けた話をしましょう」
さ 「じゃあ、ワールドカップで勝つためには何が必要か。誰かありますか?」
で 「ほい。今回の3試合を見て分かったとおり、テクニックの差というのは数年とかいう単位では埋めがたいと思うんですよ。その技量の差を別のもので克服するために、次の監督がすごく重要になりますよね」
い 「それと同時に若年層の育成も必要ですよね」
で 「『俺にボールよこせ』っていう選手が今、いないですよね。責任逃ればっかり。典型的なのがオーストラリア戦でのカウンターのシーン*11の高原と柳沢」
さ 「ああ、あれね」
で 「柳沢は『こっちに出さないで、出さないで』みたいな感じで、高原は『シュート打ちたくない、打ちたくない』みたいな感じ。そういう意識も変えないと」
西 「2002年のまでは、前提として『個の力では勝てません。だから、組織で、チームワークで勝とう』っていうのをやってきたわけですよ。それで、自国開催とはいえ、ベスト16という結果は出せたし、そこで日本の取るべき方向性が決まったと思ったんだけど・・・『いや、組織よりも個の力だ』っていう意見が前面に出てきて、それ一色になちゃったから、もう一度、立ち戻って、考えないと。どちらかを取れっていうのではなくて。ただ、組織で戦うというのが日本の長所だと思うから、そちらを伸ばしてあげた方が、短所を改善するよりも早いと思う」
で 「個の力は差がありすぎますからね」
西 「Jのチームを見ていても、そういうことは十分できているわけだから。湯浅さん*12風に言えば『有機的なサッカー』?(笑)っていうのは出来るわけだから。そういう方向を目差した方がいいんじゃないかなと思う」
さ 「これ、ちょうど今日ブログにアップした話なんだけど、特別な選手が少ないJ2の下位のチームって本当に組織的にやってるんですよ。1ヶ月くらい前に愛媛と横浜FCの試合見たんだけど。愛媛の中盤の選手が前半3分で退場になったわけ。どうするのかと思ったんだけど、ラインをきっちり組んで、上げ下げして終盤まで無失点だったの。横浜FCも爆発的な攻撃力があるチームじゃないことを差し引いても、大したもんだと思ったのよ。そういうサッカーは日本人は得意だし、相手の方が個の力で上だと思ったら、余計に組織的にやらないと。それをいまさら『個の力がなかったからって』言っても。日本は相手との力関係を間違えたよね」
い 「いろんな物差しを日本は間違ってますけどね(笑)」
さ 「アジアレベルだったら、宮本が一人余って、中澤の高さで勝てるよ。でも、W杯とか行くと、中澤よりでかい奴がゴロゴロしてるわけだから。物差しを間違えて、『個の力で勝てる』って思ったのが失敗だよ」
で 「一回、実力を認めなきゃいけない。そういう意味ではいい機会でしたよね。今回のW杯で分かりましたもんね。日本国民も、代表の関係者も」
西 「でも、分かってない人がいるから(笑)」
ブ 「一番上の人が分かってない」
西 「そうそう」
さ 「勘違いしちゃいけないのは、確かに『個の力はなかった』よ。でも、組織力もなかったんだ。川淵のコメントだと、『組織力があっても、個の力で勝てなかった』みたいな印象を受けてしまう人がいるかもしれないけど」
で 「そうそう。個の力もなかったし、組織力もなかったんですよ。それじゃあ勝てないよね」
ブ 「今から思うと、トルシエのアプローチは正解だったってことか」
さ 「今回のW杯のどのチームを見ても、どこも組織的だよ」
ブ 「それでも点を取られちゃう。プレス掛けて、コンパクトにしていても。日本はそれ以前の問題」
さ 「はっきり言って、問題外」
ブ&で 「一番酷いチーム」
さ 「32チーム中、ダントツでビリだと思うね」
で 「ジーコの発言とか周りの選手の発言を読むと、ジーコは日本の選手達が1対1でも勝てると思ってたフシがありますよね」
西 「W杯の時も?4年間やってきて?」
で 「前にボールが入りさえすれば、バシバシ抜いていけると思ってたみたい」
西 「いやいやいやいや・・・」
ブ 「いやいやいやいや(苦笑)」
さ 「いやいやいやいやいや(苦笑)」
い 「いやいやいやいやいやいや(壊)」
一同 「いやいやいやいやいやいやいや(壊)」
さ 「えー、それ、どこの国のロナウジーニョ?(笑)」
い 「それ、なんてロナウジーニョですか?(笑)」
西 「なんていうアドリアーノですか?(笑)」
で 「タマダーニョですか?(笑)」
Jリーグと海外
ブ 「仮にね。国内リーグでいい個人の力でバンバンDFを抜いて点を取るような選手がいたとして、じゃあ、代表に入ってそれができるかといったら、難しいでしょ」
さ 「できないでしょ。できないけど、少なくともJリーグで点を取っている選手じゃないと、W杯で点は取れない」
だ 「玉田、取ったけど(笑)」
さ 「でも、Jリーグで点を取った選手がちゃんと選ばれてない」
ブ 「でもね、Jで得点王になった高原がドイツに行っても点が取れてないし、大黒がフランスに行っても、点が取れてないっていう現状があるわけでしょ。そういうのをジーコは無視してその選手達の『個の力』を信じてしまったわけよ。大黒とかすごくいい選手だったじゃない」
さ 「ただ、ガンバっていうチームにいたからそれができたという側面はある」
で 「俺も大黒が日本で一番いいFWだと思ってたんですけどねえ」
ブ 「そういう意味では、国内リーグ全体のレベルを上げていかないと」
で 「今のJリーグにはかつてのピクシーとかエムボマみたいな本当にいい選手っていないですよね。そういう選手がいれば・・・。そういう相手とやっていると個の力も上がると思うんですよ。ベルナブカーノのシュートを川口は止められなかったけど、Jリーグにはあんなシュート打つ選手はいないじゃないですか。もし、そういう選手がいたら川口だって、あのシュートを止められたかもしれない。レッズのワシントンはJリーグの中では力が頭一つ抜けてるけど、本当のワールドクラスってわけじゃないし」
ブ 「Jリーグにもっと金を掛けて、基盤を強化していかなきゃいけないのに、代表だけに金を掛けている気がする」
西 「頭でっかちなんですよね」
で 「まだまだ学ばなきゃいけないことがあるけど、いまのJリーグは学ぶ場所にならない。ドゥンガを見て福西が育ったし、スキラッチを見て中山がいる。逆にそういう選手と戦った他チームの今の30代くらいの年齢の選手もいい選手になったと思うし。そういうのをもう一度やらなきゃいけないんじゃないかと思う」
ブ 「おかしいのは、海外に行った途端に代表に入るというあの選考の仕方だよね」
で 「典型的なのが藤田俊哉」
西 「笑っちゃいましたもん。Jで大活躍してた時には見向きもされなくて、オランダに行って試合に出れてないのに代表に呼ばれて」
で 「Jリーグにいる選手は透明でジーコの目には見えてないんでしょうね。海外に行くと、その選手が見えてくる(笑)」
西 「そもそも、ジーコは就任する時に『Jリーグで活躍する選手を選ぶ』って明言してたじゃないですか。にもかかわらず、海外組を重用したわけでしょ。それじゃあ、Jリーグでやっている選手達のモチベーションが上がるわけがない。そもそも試合すら見に来ない」
い 「オシム*13が前に言ってましたね。選ばれるべき選手が選ばれてないみたいなことを」
ブ 「モチベーション下がるよね。国内で頑張ってる選手が選ばれなくて、選ばれても紅白戦の相手になるだけじゃあね。練習やってもシュート練習500本とかでしょ(笑)」
さ 「代表まで行って、やるべき練習じゃないよね」
で 「シュート練習500本やってる暇があったら、ボールの取りどころの確認をして欲しいですよ」
い 「シュート練習も、ノープレッシャーで球出しして、シュートするだけでしょ?そんなシーンが試合であるか!!って話ですよ」
西 「シュート練習って、各クラブチームに対する侮辱だと思いますよ。そんなことを代表にやらせて」
ブ 「そういう練習してたら、コンディション崩して帰ってくるのもよくわかるよね」
さ 「肉体的なものより、精神的なものの方が大きいでしょう」
決定力不足
ブ 「日本の選手は決定力が落ちる」
さ 「決定力が落ちるんだったら、別の方法を考えないといけないですよ。トルシエはどうしたかというと、『決定力がないんだから、出来る限り前でボールを奪って、出来るだけ早く攻めて、チャンスを増やす』というやり方を取った。ジーコは決定力を上げることを考えたんだよね」
ブ 「だから、シュート500本なわけか(笑)」
い 「その方がわかりやすいですけどね(笑)」
ブ 「全然上がってないし」
さ 「うん。4年間で上がるものではないし、仮にね500本練習することで、もしかしたら、ひょっとしたら、少しだけ(笑)、上がったのかもしれないけど、それって代表選手の23人にしか残らないんですよ。競技人口何万人もいる中で、23人にしか還元されない指導法」
で 「正確に言うと、20人ですよね。GK抜かして」
い 「でも、土肥が紅白戦でゴール決めてるから(笑)」
一同 「ハハハハ」
ブ 「ブラジルに限らず、いいチームのFWはみんなシュートが枠にいってる。日本の選手って宇宙開発じゃない」
い 「今回のワールドカップのデータを見ると、枠内シュート数が多いチームがやっぱり勝ってる」
で 「ストライカーは本当にいませんよねえ。点を取る能力が低い」
さ 「点を取る以前に、枠にさえいかない。枠にさえ飛べば、どんなヘナチョコシュートでも、GKがポロリするかもしれないのに。クロアチアvsオーストラリアでもそんなのあったよね」
ブ 「でも、それが克服できないときついよねえ・・・」
で 「カレン*14とかホントヘタだよね。それこそ、球出ししてフリーの練習でシュートとか見てても入らないんだから」
さ 「入らないねえ・・・」
ブ 「次のワールドカップは・・・平山*15次第かなあ・・・」
西 「反町さん*17次第ですかねえ・・・」
ブ 「だから、次の監督次第だよなあ。百歩譲って、川淵さんは残ってもいいからまともな監督が選んでくれれば・・・」
西 「いや、無理でしょ。選べる条件とか出さないじゃないですか」
で 「でも、川淵はやめないよ」
西 「それをどうやって引き摺り下ろすかを考えないと」
さ 「引き摺り下ろさないとまずい」
で 「日本人って、相手に身体を寄せられるとかなりプレー精度が落ちますよね。プレッシャーのないところでボールを持たせたら、そこそこやるけど・・・」
さ 「1999年のワールドユースの頃から変わってないよね」
で 「山本レポート*18でそんなこと書いてましたよね?」
西 「数年で変わるもんじゃないですよね」
い 「動きの質を上げることですよね。ボールを触っている時間ってサッカーは短いし」
さ 「やっぱり、『コレだけは負けない』ってものが必要だよね。韓国がW杯でもそこそこ戦えてるのは運動量が豊富だからでしょ」
い 「動きの質も高い」
で 「テクニックで劣っているのを走ることでカバーしている」
い 「日本人も人種的には走れる方ですよね」
で 「それにしても、今回のW杯の日本は走れなかったですよね」
一同 「うーん」
さ 「さっきのいぇーんさんの話じゃないけど、やっぱりフィジコの失敗でしょ。あれは」
で 「テレビで西野も言ってましたけど・・・ああ、西野って吹田の監督(G大阪)の方ですよ(笑)。彼が『こんなに動けない日本は始めて見た』って」
ブ 「とりあえず、今回分かったことは、日本の選手は走らせてしっかりプレスを掛けないと世界では戦えないってことじゃない?」
さ 「走らなきゃ・・・もう、その話、ずっと前から僕、ブログとかで言い続けてましたけど(泣)」
い 「フリーランニング・オフ・ザ・ボールですよね」
で 「日本人に出来ることって、走ることくらいじゃないですか?今回のワールドカップでブラジル戦を見た人たちはみんな分かったと思うんですよ。埋めがたい技術の差があるということを。じゃあ、何をしなきゃいけないかと言ったら、走って前からボールホルダーにプレスを掛ける、そこから始めるしかないってことですよね」
さ 「今回は、『個の力』で勝てない、『組織力』でも勝てない。これじゃ、勝てるわけがない」
西 「あのチーム、『組織力って何?』って感じでしたよね」
さ 「『組織力って、美味しいの?食べられるの?』って感じだったよね(笑)」
で 「そうそうそうそうw。スタートラインにすら立ってなかったってことですよね。4年間やってきて」
さ 「4年間やってきて、『組織力ありません。個の力は当然ありません。がんばります!!』って臨んだ結果があれだよ」
西 「ジーコの4年間って、Jリーグが出来て10年間コツコツ積み上げてきたものを、バラバラにして、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・『ハイッ!綺麗さっぱり、なくなりました』・・・そんな感じ」
で 「ホント、そんな感じがする」
さ 「ケット・シーさんがブログで書いてたけど、『焼け跡』になっちゃったんだよね。だから、大変だよこれから。でも、ケットさんが言うように『大地は残っている』からね」
ブ 「焼畑農業だよね」
一同 「ガハハハハ」(爆笑)
さ 「それ!それ!」
で 「4年間掛けて、焼畑しちゃったわけだ。なんちゅう、前近代的農業をやってるんだか。種も蒔いてないもんね」
さ 「あー、ほんと、その例えはいいわ」
で 「じゃ、今回の結論は、焼畑農業ということで(笑)」
若手の選手
さ 「じゃあ、焼畑で『種も蒔いてない』って話が出ましたけど、若手が代表に入ってなかったですよね。どうですか?これから代表に入ってきそうな若手は誰がいますか?」
ブ 「浦和の長谷部さん」
い 「僕はキーパー好きなんで、大分の西川」
で 「磐田の菊地」
ブ 「FC東京の今野」
さ 「磐田の太田だな」
で 「太田は普通にJリーグを見ている監督だったら入るよね」
さ 「マリノスの田中隼磨とかも、いい時に選ばれなかったしなあ」
で 「まあ、今はコンディション崩してるけど・・・精神的な・・・プライベートなことで・・・」
一同 「アハハハ」(苦笑)
さ 「左サイドは・・・」
で 「ガンバの家長」
ブ 「問題は海外組との融合をどうするかだよね」
い 「今回が入れすぎましたよ。こんなことにはならないと思いますけどね」
さ 「FWの名前がさっき出てこなかったのが悲しいね」
で 「いやー、いないですもん。だって、若手でゴールが多かったのってカレン・ロバートくらいでしょ。しかも大半がラッキーゴールw」
ブ 「そういう意味では北京五輪がすごく大事。そこで活躍した選手が出てくるかもしれない」
で 「ハーフナー・マイクとか身体がもう少し出来れば使えるかもしれない」
ブ 「平山かな」
で 「ああ。平山ってまだ21歳なんですよね」
い 「二人のツートップ?w」
で 「ハーフナー・マイクなんて昔は大井*19に競り負けてたけど、今は活躍してるもんね。クラウチ*20になれるかもしれない(笑)」
ブ 「今後は欧州への遠征を増やして欲しいね」
西 「国内の親善試合は減らしていいと思う」
い 「海外の親善試合だって日本語の看板広告とか山ほど出せるんだから、海外でも国内でも一緒でしょ。そういえば、今回のW杯のクロアチア戦とか日本語の看板出てましたよね。明らかにD通パワーでしょw」
で 「T芝とかね」
ブ 「『キリンカップ・ヨーロッパ』とかでいいじゃんね」
さ 「強豪国とやる必要はないですよね。アウェイだったらマルタとかキプロスとかでもいいと思う」
で 「フォロー諸島とかw」
一同 「ハハハハ」
さ 「それはきついな」(苦笑)
ブ 「南米でもいいしね」
で 「特に今の若い選手は経験不足だから、海外遠征した方がいいですね」
い 「小野の世代はワールドユースとか行けてましたからね。アフリカとか」
で 「どんどん遠征させるべきですよ。中東とか」
さ 「中東とかいいよね」
で 「わけのわかんない環境で試合をやらせたいですよ」
ブ 「ユース世代が世界大会に出場できていないから、深刻だよね」
西 「どこの国でも停滞期ってあるじゃないですか。今の状態の日本がそれであることを祈りたいですね」
ブ 「若手が経験を積んでくれればね」
で 「メッシになれるかもしれない。なれないけど(笑)」
い 「メッシはまだ18歳でしょ」
西 「そういうのは日本にはでてこないだろうな」
で 「森本*21とかどうしたんですかね。山西*22を抜いて終わりましたよね」
一同 「ワハハハハハ」
西 「あと茶野ね」
で 「茶野を振り切ったことで、能力を使い果たしたんですか?(笑)」
い 「怪我ですよね。確か」
西 「若い頃の怪我は大きい」
ブ 「あとACLってどうかね。俺はもういいんじゃないかって気がするんだけど」
で 「いや、俺はむしろガンガンやってほしいですね」
さ 「川淵さんにはJFA会長を辞めていただいて、『ACL改革委員』とかになってもらって、そちらに集中してもらいましょうw」
ブ 「ACLを改革しないと盛り上がらない」
さ 「真面目にやってるのって、中東の国だけじゃないかな」
で 「韓国とかも真面目にやってるみたい・・・」
西 「・・・それは・・・ACLだからとかじゃなくて・・・」
で 「ああw。どこかの国とやるときだけ・・・」
西 「どこかの島国とやるときだけ真面目に(笑)」
さ 「日本ドーピングが発生するからねw」
ブ 「ACLが盛り上がれば底上げできると思うんだけど」
西 「D通さんも代表じゃなくて、そっちに力を入れてください(笑)。その方が、Jクラブの力がつくから、結果的に力が積み上げられる」
ブ 「世界クラブ選手権に日本のチームが出ていないのは寂しい」
さ 「寂しいけど、『Jの優勝チームに出場権よこせ』っていうのは馬鹿」
西 「あれはありえない」
ブ 「今回だって、バルサとかとやれるチャンスだったんだよ」
で 「中東のチームとは金の使い方が違いますもんね・・・。だって、カロンとかいるんですもん*23。すげえ強えーじゃん。でも、そういうところに勝てるようにならないと」
ブ 「でも、アジアの地形の不利ってあるよね。ヨーロッパだったら隣の国に行けば強いチームと試合が出来るじゃん」
い 「まあ、だからこそ、アウェイに行かないと」
さ 「合宿も海外でやればいいんだよ」
い 「またサポーターが『濃く』なっていくなあ(笑)」
ブ 「それじゃあ、D通が困るか」
監督について
さ 「次の監督について行きましょうか。僕は次の監督に日本サッカーの50年が掛かっているといっても過言ではないと思うんですよ。なにしろ、焼畑になっちゃったわけだから」
で 「素材もあまり高いとは言えないですしね」
ブ 「まず、国内サッカーを見てくれる人がいいな。試合数を見てくれる人。で、試してくれる人。試してくれないと話にならない。戦術のこともあるけど、まずは国内サッカーを見てくれる人が条件」参考記事
さ 「ええと。マスコミで名前が挙がっているのは・・・オシム・・・」
で 「デシャン」
い 「エメ・ジャケ」
西 「どれも可能性薄いなあ」
で 「岡田とかだったらどうします?」
さ&西 「ええ〜!?」
い 「でも、『日本人が分かっている人』っていう条件にJFAは拘ってるから、日本人監督だってありえますよね」
で 「岡ちゃんも、多分今年でマリノス終わりでしょうしね」
さ 「ここで山本昌邦ですよ(笑)」
で 「いやいや、途中で投げますよ。『私が辞めることが日本にとっていいと判断し・・・』とか言って辞めますよw」
ブ 「まあ、誰かっていうのは結論でないよね。ただ、次が誰であろうと最初の数試合見てやばかったら、叩かないと」
さ 「それはやらないとね」
ブ 「次もグダグダサッカーやられたら、代表を見る人がいなくなる。一般の人は離れると思う」
さ 「ただね。2003年の頃って調子悪くて、お客さんは入ってなかったじゃないですか」
で 「東アジア選手権とか当日券買えたもん」
さ 「だから、どんなに代表がアレだろうと、4年間経ったら勝手に盛り上がるんだろうなあと・・・勝手にというか・・・D通パワーで(笑)。それじゃあいけないんだけど」
ブ 「一度、国内サッカーについて、今日みたいな話し合いをしたいね。色々問題があるでしょ。引退した人はどうするのかとか。若手をどうやって引き上げるのかとか。福島のアカデミーはあの少人数でいいのかとか」
さ 「J1とJ2のチーム数の不均衡とかね」
い 「J1とJ2のレベル差の問題とか」
ブ 「芸能人のフットサルに注目が集まるのが不自然だよね。J2に力(ちから)入れてくれよ」
さ 「あれこそ、スポンサーだとか広告代理店だとかの英知の集結って感じだよね」
で 「あれはおかしいですよね」
さ 「何になりたいの?って感じじゃん」
で 「何になりたいんでしょうね・・・」
さ 「結構、ガチでやってるでしょ?」
で 「そう」
さ 「Lリーグに力入れてくれと思うよ。あの状況を見てると」
西 「あんな良い試合はない」
さ 「そうそう。Lリーグの試合は良いですよ。日本で一番強いサッカーチームは・・・』
西&さ 「日テレベレーザ」
西 「ベレーザの4バックはいいですよ。ジーコジャパンなんか敵わない」
さ 「敵わないね」
西 「Lリーグの試合は若年層に見せたい。そこから覚えて吸収することの方がいっぱいある」
さ 「今の代表のサッカーって見ていても子供達のためにはならないよね」
西 「代表もだけど、Jリーグにもない。『昨日のあの選手のあのプレーすごかったよね。真似してみようぜ』って校庭で子供達が言ってくれるようなプレーがない。そういう意味で、危機感を持たなきゃいけない」
ブ 「面白いサッカーってさ。ショートカウンターで、ボール取ったらダーっと走って、ゴール前まで行って、相手も同じように前線でボール奪って、ダーっと・・・ってこれじゃあ、テープ起こし出来ないだろうけど(笑)」
さ 「まとめると、ワーワーサッカーってことでいいですか?(笑)」
で 「一番、点になりやすいのはそれだよね。人間力もそれがやりたかったけど、出来なかったw」
ブ 「自分達のボールになった瞬間、一斉にゴールに向けて走り出すっていうのが見ていて気持ちが良いよね」
で 「そういうチームってJリーグ少ないよね・・・っていうか、ない?」
ブ 「川崎?」
い 「あれは完全なカウンター。相手のCKの後が大チャンスみたいなw」
さ 「さあ、長々と喋ってまいりましたが、そろそろまとめを。とりあえず、皆さん、ありがとうございました。じゃあ、このディスカッションを振り返って・・・。でぃーくん」
で 「焼畑農業ですから、本当にここからですよね」
ブ 「今回のキーワードは焼畑農業だね」
で 「いや、マジで何にもなくなっちゃいましたもんね。ここからですよ」
さ 「焼畑にさせてしまったということが辛い」
ブ 「中田英寿を見るのが辛かった。焼畑で泣いている子供だよね」
さ 「戦後すぐの孤児のようだよね」
で 「中田の涙にチームメイトは何を思ったんでしょうね?『何だコイツ?』くらいに思ってたら腹立たしいよね」
さ 「でも、そういう雰囲気だったよ。宮本しか声を掛けに行かなかったのが全てを表してるよ」
で 「大久保*24に行って福西に訊いてみよう」
ブ 「空港で水掛けたくなるチームだったなあ。やっちゃだめだけど」
西 「それをやるのに値するチームだったかというと、どうだろう・・・」
い 「あー」
さ 「期待してないですからね。僕は全く期待してなくて、開幕前は3連敗だと思っていて、クロアチア戦は能活のセーブで何とか引き分けになって、良かったかなと思ったけど、あのブラジル戦は・・・」
で 「衝撃的でしたよね」
ブ 「サッカーが好きな人ほど、精神的に参ったんじゃないかと思うよ」
さ 「いやあ、俺、あの日はやばかったですよ」
い 「僕もきつかった」
ブ 「中田が倒れているシーンとかみて、がくーんと落ちた」
さ 「負けたこととか、GK交代されたりとかもあるけど、あの中田の姿をみて凹んだ」
ブ 「中村のインタビューも半泣きになってるし・・・居たたまれない」
で 「でも、あの試合に出ていた選手達は衝撃的だったと思いますよ」
ブ 「中田の件については、現場で見てた人よりもテレビで見ていた人のほうが衝撃が大きかったかもしれない」
で 「甲子園とか高校サッカーの地方大会の予選1回戦で、全国大会常連のチームと当った学校の気持ちですよね・・・。ああ、『もう早く終わらないかなあ』っていう感じになちゃってた」
さ 「でも、僕も早く終わってほしかったね。ちょっと見てられなかった。審判も気を利かせてロスタイム短めでホイッスル吹いてたけど」
で 「公開処刑でしたよね・・・」
ブ 「国際中継で引き摺り回されたみたいなもんだから・・・」
い 「ブラジルはグループリーグではなくて、トーナメントに向けてのコンディション作りをしているのにアレですもんね」(参考*25
で 「国内にプロリーグがあって、莫大な強化費を掛けて、欧州に選手が何人かいて、メディアがあれだけ煽って、この結果ですからね」
さ 「トリニダード・トバゴってイングランドの2部の選手達がメインで、自国のリーグの選手達とかも主力でいるじゃない。それでもスウェーデンと引き分けた。日本と結果は同じでしょ?0勝1分け2敗でしょ?じゃあ、どちらの方がお土産が多かったかと言ったら・・・しかもトリニダード・トバゴは初出場でしょ。それが3回目の出場で、前回大会はベスト16で、それであの内容は衝撃的すぎる」
ブ 「早くJリーグが始まって試合を見ないと傷が癒せそうにない」
さ 「Jリーグがある僕らはいいけどね」
ブ 「一般の人は引いちゃうんじゃないかな。だから、あのチームを作った遠因は川淵三郎だと思うけどね」
い 「それはそうでしょう」
ブ 「4年前にアレを選んだときから、始まってたんだよね」
い 「もちろん、結果が出せなかった選手も悪いことは悪いんですけどね」
ブ 「ああいう試合をしてきて批判をしてこなかったマスコミも悪いしね。いくらキャプテンが封殺してたとはいえ、ネット以外の媒体があれではね。それが焼畑を作ってしまったんだよね」
さ 「自分で焼畑にしちゃってるんだから世話ないけどね」
で 「『アハハハ』って言いながら」
い 「『燃えてるよ!?燃えてるよ!?』って言いながらね(笑)」
さ 「まあ、これは友人の鹿島サポさんが言ってて、同じことを思ったんだけどどね。ジーコのサッカーを見続けてきて、『これはダメなんじゃないか?』っていう気持ちがあって、ブログとかで主張し続けてきたんだけど、結果だけはあのチームは出し続けていて、『俺の方が間違っているのかな』と思ったこともあったけど、『結局、自分のサッカー観が正しいことが分かった』っていうのが唯一の収穫かな。悲しいことだけどね」
い 「あとは、ワールドカップという本気の場所がどれだけ厳しいかということが分かった」
で 「全然親善試合と違いますもんね」
ブ 「4年後に向けてしっかりと準備をしないと、また焼畑にされちゃう」
で 「ワールドカップに出られない可能性もありますからね」
さ 「アジア枠も減るかもしれないし、オーストラリアも入ってくるから、かなり慎重にやらないと」
西 「サポーターももうちょっと声を上げないといけないんじゃないかな」
さ 「うん、上げないとだめでしょうね」
西 「上げるだけじゃなくて、上げ続けないと。それがどこまで効果があるのかは分からないけど、少なくとも傍観するのはもうやめようと思う」
さ 「正直、諦めちゃったじゃないですか。『もうジーコでもいいや』って思っちゃったところがある。それが悔しいな」
ブ 「今は商品として価値があるのかもしれないけど、負け続けるとそれすらなくなるよ」
さ 「商品価値を高めるために一番良いのは勝つことなんだよね」
で&ブ 「そうそう」
ブ 「今、商品価値が思いっきり下がったわけじゃない?ここから上げるのは大変だよ」
さ 「それが好きな人には悪いけど、バレーボールとかラグビーとかああいうスポーツの環境になっちゃいますよ。これが続くと。だって、ほんの20年前はそうでしたからね」
一同 「うんうん」
さ 「一番客が入るのは高校サッカーで、『日本リーグって何?』っていう状態に戻っちゃうよね」
ブ 「ブームっていうのは恐ろしいよね。一気に引いていくから」
さ 「ブームじゃなくて根づかせるために、何が出来るのかを考えていくしかないでしょうね」
で 「こうなると、Jリーグが本当に大切になりますね」
さ 「大切。大切。Jサポ、頑張りましょうよ」
で 「でも、JサポもJサポで甘いですよね。ウチとか」
い 「いやいや、神戸も甘いですよ。あまり語りたくないほど」
さ 「サポーターがどこまでチームに絡んでいけるのかというのは難しい問題だけどね」
ブ 「俺は、まず興行のことを考えたほうがいい気がする。客寄せっていうことをもっと考えた方がいいと思う」
い 「そうは言っても、関西はタダ券まいても根づかないっすよ」
で 「磐田もそうだよね。ナビスコカップに平日だと4000人しか来ないのが現状」
さ 「横浜だって、休日にやっても9000人とかだもんね」
ブ 「営業力を上げないとね。あと30年くらいは興行のことを思いっきり考えた方がいいと思う」
さ 「水色にぬられた家が沢山あるような街になるといいね」
で 「ああ、磐田にあるような?」
西 「プッ(笑)」
さ 「ん?」
西 「紫の家とか嫌だなあと思って」
さ 「京都とか広島とかねw」
西 「青と赤と白の家とかね」
さ 「ああ、僕の実家があるところね。そうなったら実家の方には帰りたくないな(笑)」
で 「でもそんな風になるまで、根づいてほしいですけどね」
ブ 「それまでJサポは走り続けないといけないですね。一人でもスタジアムに誘ってくるとか」
で 「選手にももっと厳しい声を上げないと」
い 「うーん、他国のリーグに比べて選手の闘争心とかそういうのが感じられないような・・・」
さ 「・・・目的がないから・・・かなあ・・・」
い 「ヘタでも『やったる』みたいなのが見えない」
さ 「なんで、Lリーグは面白いと思うんだろう?」(西川さんを見る)
西 「彼女達は本当にサッカーが好きでそれしかないって感じがする。プロじゃないから逆にサッカーが好きという信念だけでやっている気がする。Lリーグの選手って交代するときも『私の変わりに頑張ってくれ』っていう交代の仕方するし、代わりに入った選手も『まかせとけ』みたいなものをどの選手からも感じる。それはJリーグのチームの選手達には意識として薄い部分。そういう雰囲気があるから一つ一つのプレーがすごく真剣だし、やる気を感じる」
ブ 「ジェフの巻があれだけジェフサポに愛されているかというと、やっぱり一生懸命なんだよね。ああいう気持ちが全ての選手にあればね」
西 「Jリーグの選手達は胡坐をかいちゃっている」
で 「ありますね。ベンチでふんぞり返っている奴とかいるしね(笑)」
さ 「いるしね(笑)」
で 「サポーターもそういう面で厳しく見ていかないと」
さ 「さっきも話したけど、日本サッカーにもまだサポーターがチームを勝たすためという文化が目に見えて分かるところが少ない。柏とか・・・あとは・・・柏とか(笑)レッズは客は多いけど、ちょっと違う気がする。代表の話じゃないけど、あれもブランドなんじゃないかと思う」
ブ 「難しいよね。コアな人も増やしつつ、にわかな人も入れていかなきゃいけないわけだから。フロントは大変だよね」
で 「コアサポだけだったら、相当気持ち悪い集団ですよね。マジで」
一同 「わははは」
さ 「俺とかでぃーくんみたいなのしかいないわけでしょ。それ、ヤバイスタジアムだよね」
ブ 「にわかは大事よ」
で 「黄色い声は大事だよね。さるねこさんがよく言っているけど」
ブ 「各チームのサポーターのブログとか見るとにわかを批判しているところが多いけど、それがどれだけ大事か。スタジアムに来て、お金を落としてくれるわけだから」
で 「だから、西条秀樹呼んだっていいわけですよね」
い 「グラちゃんに萌えようが、パルちゃんに萌えようが、いいわけですよ(笑)」
さ 「パルちゃんとか良いよね。俺、パルちゃん見にだけ清水行きたいときあるもん(笑)」
ブ 「よく『地蔵』を怒る人がいるけど、地蔵を怒ってもダメなんだよ。彼らを引き込まないと」
さ 「本当にいいゴール裏だったら地蔵でも来てくれれば、跳ねますよ。声出すし」
ブ 「浦和まで行くと行きすぎな気もするけど」
西 「いや、浦和のゴール裏も変わりましたよ。昔に比べると」
さ 「さっきは否定的なニュアンスで喋ったけど、そういう意味では浦和のゴール裏はにわかさんも入りやすくなったんじゃないかな。まあ、年齢による新陳代謝もあると思いますけど。理想を言えば、30歳代の前半まではゴール裏で跳ねて、それ以降になったらバクスタいって、年取ったらメインでのんびり見るなんていうのは最高だよね」
い 「いいプレーには敵味方関係なく拍手を」
で 「なんか、ゴール裏に味方の選手にはブーイングするなみたいな雰囲気があるじゃないですか」
さ 「ウチはね」
で 「あれ、いやなんですけど」
西 「まあ、ブーイングで何が変わるのか私には疑問だけど」
ブ 「まあ、その話はややこしくなるんで、またの機会にしてくださいw」
さ 「次回はJリーグについてのディスカッションやるかあ(笑)
ブ 「でも、問題が色々あるからね。選手の年俸の問題とか、経営改革して客を増やすかとかね。フロントみたいだけど」
さ 「でも、文句を言うなら考える必要はありますね」
で 「年俸が上がれば選手もモチベーションは上がりますもんね」
西 「今現役の選手じゃなくて、今の子供達を考えないと。今の状況で野球とサッカーを比べたら、年俸を考えたら野球をするよね。いい素材・・・というか才能を持った人をサッカーに来させるかを考えないと」
さ 「今、少子化でしょ?これから子供達のスポーツ実施率も下がると思うんですよ。考えて欲しいんですけど、自分に子供が一人だけいたとして、その子の将来のことを考えたらスポーツよりも別のことをやらそうと思いませんか?例えば、『将来、スポーツをやりたいんだけど』って子供に言われたら今まで以上に『それはやめとけ』っていう親は多くなると思うんですよね。子供が多ければ別かもしれないけど」
ブ 「Jの問題で言えば、大学に行かせるか、Jリーグに行かせるかという問題もあるよね。サッカーだけのことを考えたら、Jリーグに行った方がいい環境はあるけど、その後の人生のことを考えたら大学に行った方がいいと考えるよね」
い 「選手生命は終わっても人生は続きますからね」
西 「ちょっとサッカーと離れてしまうけど、大学に入るのは18歳からだという概念を日本社会が捨てないと。選手を2,3年やってだめだったあとで大学に入るとか、そういう選択をする人に住みよい社会でないと」
さ 「日本の社会は選択肢が狭いよね・・・ああ、こんなこと言うと岡田さん*26みたいになってるけど」
ブ 「選手寿命が短いのに高い年俸をあげられていないよね。そういう構造も変えないと」
さ 「今、一番もらっているのって誰?中山?」
で 「藤田じゃない?」
さ 「俊哉?」
い 「小野じゃなくて?」
で 「ああ、小野だ」
い 「その前が楢崎でしたよね」
ブ 「そういう問題も含めて、次回は国内サッカーについてディスカッションしたいですね」
(終了)
*1:次のパラグアイ戦から4バックが、宮本、坪井、三都主、山田に変更
*3:ファミコン時代に発売されたレースゲーム。ゲームボーイアドバンスで発売された
*4:元イタリア代表GK
*5:元ソ連代表GK。現役中150本のPKを止めたという伝説がある
*6:2000年シドニーオリンピックアジア一次予選で対戦したフィリピンのGK。丸っこい体格で一生懸命セーブする姿がサポーターの心を捉え、日本のホームにもかかわらず、日本の選手より大きな声援を受けていた
*7:ブラジルvsアルゼンチン
*11:後半31分。高原が相手陣内でボールを奪い、そのままドリブルでペナルティーエリアへ。DFを引きつけて左の柳沢へパスをはたくが、呼吸が合わず、柳沢が戻りながらシュート。しかし力がなくGKがキャッチ
*13:このディスカッションは川淵の『失言』前
*14:カレン・ロバート。磐田。2005年13ゴールで新人王
*18:コーチであった山本昌邦氏がJFAに提出したといわれる報告書
*25:里内フィジカルコーチ「W杯は7試合を戦う計算で体を準備した」日本はいつから優勝するチームになったんだ?
*26:岡田武史。横浜Fマリノス監督。日本代表の監督の経験を話す際に「どうしても日本の教育とか社会とかについて考えさせられる」という発言している