ディスカッションその2

 その1はこちらからどうぞ




クロアチア戦について


さ 「そうですね。で、2戦目。クロアチア戦ですが・・・一戦目と比べてどうだったでしょう」

い 「うーん・・・かなり消極的だったような・・・」

ブ 「この試合から俊輔が試合から消えてしまってた」

さ 「熱があったのは確かみたいですね」

で 「マーキングされると、ボランチの位置くらいまで下がってきちゃってましたね」

い 「で、三都主とポジションがぶつかっちゃう」

ブ 「中田が縦横無尽に動いてたよね。で、福西が相手抑える動きをしてた」

さ 「で、福西が途中交代になりましたけど・・・。僕は珍しくジーコがまともな采配をしたなと思ったんですが、どうですか?」

で 「ニコ・コバチに結構やられてたし」

ブ 「肘打ちを胸に食らって、動けなくなった」

さ 「意外に福西、弱いからね。そういうのに。自分も良くやるくせに(笑)

で 「『いつも、やってることやられちゃった』って動揺したのかも(笑)」

さ 「結構相手の中盤をフリーにしちゃいましたからね」

い 「選手へのメッセージとしての選手交代としては、良かったんじゃないですかね」

さ 「ああ、いぇーんさんが言う、『選手交代でのメッセージ』っていうのは大切な言葉だと思うんですけど、オーストラリア戦の小野の投入って、どんなメッセージだったんでしょう?

い 「見えない(苦笑)」

西 「なんだろう?」

で 「はてな(笑)」

い 「トルシエテレビ東京のフランス戦の解説してるときに、小野の交代シーンが放送されてましたけど、トルシエ、固まってましたよね」

ブ 「ああ、You Tubeにも流れてたやつねえ・・・(動画)

さ 「僕は新宿の某所ででぃーすけくんとかの磐田サポーターの人と一緒に見てたんですけど、あの交代の瞬間、『これ、地獄の15分になりますよ』って言っちゃいましたもん(笑)」

一同 「ハハハ」

で 「言ってたね(笑)」

さ 「あの交代は意味がない・・・意味のない交代どころか、悪化するなと思ったから」


ブ 「クロアチア戦に話を戻すと、クロアチアの精度も悪かったよね」

で 「そうでしたね」

ブ 「クロスが雑だった」

一同 「うーん」

ブ 「このチーム弱いなって思ったけどねえ」

い 「後半の頭で完全にバテてたんで、勝てるかなと思ったんですけどねえ」

で 「テクニックもそんなになかった気がします」

ブ 「そう。だからここは勝てたかもしれない試合なんだよねえ」

い 「8年前のフランス大会のときのような、インパクトはなかったですよね」

で 「あの時のクロアチアはスキルがどの選手も高かった気がしますね」

ブ 「正直に言えば、オーストラリアもそんなに強いチームじゃなかったよ。今回の大会の他のグループのチームと比較すると」

で 「前の方の選手はテクニックもあったし、身体の使い方も上手かったけど、中盤から下の選手は・・・」

さ 「ディフェンスラインの選手とか、足元の技術なかった気がする」

ブ 「この二試合はもしかすると、いいチームを作れれば、勝てたかも。特にクロアチア戦は」

で 「勝ち点4は最初の二試合で取れましたよね・・・」

さ 「クロアチア戦の選手交代については、おおむね妥当だったってことでいい?」

西 「クロアチア戦は妥当だと思いますねえ」

で 「あの試合は柳沢が1点入れてれば・・・」

西 「カルガモね(笑)

さ 「でも、柳沢に得点を求めたら、ダメなんだよね」

一同 「あー」

で 「点を取る選手じゃないですからね」

い 「ゴール前に走りこんでるのはOKなんですけどね」

さ 「ただ、ゴール前にいたんなら『急にボールが来たので』はないよね(笑)」

い 「あそこに走りこめるんなら、どうしてシュートするイマジネーションがないのか

西 「目の前に誰か一人、見えたんですよ。その選手にパスを出したんですよ(笑)」

で 「それじゃオフサイドじゃないですか

一同 「ワハハハ」

西 「副審には見えない選手なんだって(笑)

で 「明らかに、あれは慌てて打ちましたよね。何も予測してなくて、ボールが来たから、急いで足出したら『アワワー』ってw」

さ 「キーパーの股を抜くという・・・」

い 「すごいと言えば、すごい」

さ 「ただ、柳沢なんで、責める気にはならないよね」

い 「普段からサッカー見てる人は柳沢がああいうことする選手だったわかってますからね。ただ、サッカー知らない僕の周りの人は怒ってましたね」

西 「やっぱり(笑)」


ブ 「このクロアチア戦は中田のミドルシュートが結構枠に行ってましたよね」

で 「あの距離から決められる選手が日本には中田くらいしかいないというのが・・・」

さ 「日本にはゴールの枠に行く選手が中田しかいない。それより上のブラジルのレベルになるとそこを決める選手がいる。日本の他の選手は枠にも行かない」

で 「Jリーグを見ていると、あの距離からの得点ってほとんどないじゃないですか。たまにあってもブラジルの選手ばっかりだし」

い 「A代表で日本人が決めたのは・・・コンフェデ(2005年ブラジル戦)の中村とウルグアイ戦(2003年親善試合)の稲本くらいか」

さ 「あの距離から決められるかどうかが重要だよね」

ブ 「三戦通して俊輔が使えなかったから、フリーキックも武器にならなかった。ジーコジャパンの武器のはずだったのに」



ブラジル戦について



さ 「さて、そろそろ振り返りたくないけど、ブラジル戦にいきますか」

一同 (苦笑)

ブ&い 「トラウマですよね

で 「俺、思ったんですけど、ぜんぜん違う競技に見えたんですよ。片方は『サッカー』で、片方は『球蹴り遊び』みたいな。それくらい衝撃的でしたね」

い 「選手のモチベーションは一番高い試合だった気がする。前半の35分くらいまではちゃんとプレスも掛かってたし3対2とか2対1の数的有利を作り出せてたんで」

さ 「ある程度ブラジルが前に出てきてくれたんで、プレスが掛かりやすかった」

ブ 「ただ、パススピードと動き出しがブラジルは速かった」

で 「日本はマイボールのときのパス精度が低かった。ブラジルはミスなくゴール前までボールが運べてたじゃないですか。日本はチャンスが少ないから大切にしなきゃいけないのに最後のパスが雑だった」

さ 「つなぎのミスが多かったよね」

い 「高い位置でボールを受けれないでしょ」

さ 「高い位置以前に、その手前で相手に渡したり、タッチを割ったりしてた」

西 「プレーが雑というよりは、イメージの共有が出来てない

一同 「ああ」

西 「『走りこんでくれるだろう』と思って、パスを出しているのに、受け手のもらいたい位置はもっと手前だったりとか、逆に前に行き過ぎたりしてた。で、そのときの怒り方というのが、イメージが共有できなかったことに怒っていたような・・・」

い 「なるほど」

で 「左サイドで、玉田と中村とか、三都主とかが合わなくてラインを割るのが結構ありましたね」

西 「ずっとメンバーを固定してやってきたのに、どうしてそのイメージの共有ができていないのか(笑)

い 「俺も同じこと、言いかけた。だけど、それ言っちゃうと、いきなりジーコジャパンの総括になっちゃうからやめたんだけど(笑)」

ブ 「個人の技術にブラジルとすごい差があった。ボール失わないじゃん。日本がプレスに行っても放さないし」

さ 「難しいことはしてなかったですよね。ボール蹴る。止める。走る。それだけだったけど、その一つ一つがとてつもなく正確」

ブ 「後半なんて、ブラジルがボール失わないから、ずっと守りっぱなしになっちゃった」

さ 「11対11の『鳥かご』だったよね

ブ 「しかも、キーパーまで交代されちゃって。怒り狂いそうになった。酷いなあと思って」

さ 「だけど、ワールドカップで優勝するようなチーム相手にああいう試合をしてしまって・・・」

い 「逆に失礼ですよ

さ 「・・・かもしれない。で、ああいう展開で3点差になったら、ゴールキーパーも試しておこうかなって、ブラジルの監督の立場だったら思うよ」

ブ 「トルシエの時だったら、前からプレスに行こうとしただろうけど、プレスがないから、引くしかなくなっちゃった」

で 「守備の約束事がありませんからね。一人、個人技でかわされるとズタボロにされちゃうんですよね」

い 「相手が自陣に入ってきたときに誰がプレスに行くのか、ラインブレイクするのかどうかというのが・・・」

さ 「すごく、迷いがあるような気がしません?プレスに行く時に」

い 「そう。バイタルエリアがこの4年間ずっと空き続けてきたのはそのせいだと思うんですよね」

ブ 「最終ラインだけで、セレソンを抑えられるはずがない」

さ 「それができるのは相手のレベルが低い時だけですよね。プレスが必要なくて、最終ラインだけで跳ね返せるのはアジアレベルまで

い 「ブラジル戦の前半もラインが結構後ろに下がって、ボランチが埋めなきゃいけないスペースにいなくて、じゃ、誰が行くのかってなったときに、慌ててDFがラインを崩して前に出て、CBの裏を斜めに走られて・・・っていうシーンが結構あった。『今、ライン崩すなよ』って思わず叫んでしまった。それかもっと早くDFが行くのかはっきりしなかった。ディレイ中心なのかどうなのか・・・」

さ 「最後までどんな風な守備を志向していたのか分からないまま終わっちゃった」

で 「守備専門のコーチがいなかったっていうのも響きましたね・・・」

さ 「そんな話あったねえ。でも、『守備専門のコーチ』って言葉もおかしいけどねえ。監督の仕事だろ、それ(笑)」

 その3へ